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2006年03月14日

アイバンホー

時は12世紀末のイングランド。十字軍に遠征したまま国王リチャードは戻らず、ジョンの圧政に苦しむ人々。そこに登場するのがサクソン人の若き騎士アイバンホー。

Ivanhoe (1982) / TV Movie


私がはじめて『アイバンホー』に出会ったのは小学生のころ・・・テレビのなかでした。ハンサムで勇敢なアイバンホーと美しいロウェーナ姫との恋。謎の黒衣の騎士や義賊ロビンフッドまで登場。アイバンホーにひそかに恋心を抱く美女レべッカの切ない恋もよかったな〜。

日に焼けた顔に短い金髪、青い瞳の25歳の青年騎士アイバンホー。とにかくテレビの中のアイバンホーはかっこよかった・・・(↑う〜ん、このビデオと同じものなのかな〜??レべッカ役はオリビア・ハッセーですが、なんか全然違ったような気が・・・。自ら身を引くレベッカの姿にロウェーナ姫以上に惹かれました。)

サクソン人とノルマン人の対立、獅子王リチャードとジョンの確執、十字軍、幽閉のリチャード王&王の不在という史実。テンプル騎士団、中世の魔女裁判に、ユダヤ人の存在・・・実話をベースにロビン・フッドまで登場。レベッカに恋してしまう敵役のテンプル騎士団の騎士ギルべールもなかなか・・・よい。美男美女にロマンスと冒険、正義と忠誠心と・・・あらゆるものが巧みに組み合わされていて、もう最高!!でした。


原題 Ivanhoe
監督 スチュアート・オーム
出演 スティーヴン・ウェデントン、スーザン・リンチ、シアラン・ハインズ、ジェームズ・コスモ、ヴィクトリア・スマーフィット、クリストファー・リー
製作 BBC Worldwide Ltd./1997
データ カラー/301分/日本語字幕

こちらはイギリスBBCが1997年に製作した5時間もののテレビドラマのDVD。
二千人以上のエキストラ、古城やスコットランドにロケした超大スペクタクル作品。
イギリスでは『アイバンホー』は国民的人気といいますが、
わかるわかる・・・日本ではマイナーなのが残念です。

こちらも『アイバンホー』ものです
6301969391Ivanhoe (1952)
Robert Taylor Elizabeth Taylor Joan Fontaine
Warner Studios 1999-09-22

by G-Tools

6304441657Ivanhoe
Stuart Orme
A & E Entertainment 1997-05-13

by G-Tools

B00004WI6EYoung Ivanhoe / TV Movie
2000-10-17

by G-Tools


原作はサー・ウォルター・スコットの歴史小説「アイバンホー」(1819)










アイバンホーはノルマン人の支配下となったイングランドで、サクソン王家の復興を願うサクソン人大地主セドリックの一人息子。彼は、父親が後見人をつとめるサクソン人の高貴な姫、ロウェーナと相思相愛の仲に。しかし、サクソン王家の血をひくアセルスタンとロウェーナ姫の政略結婚を企ているセドリックは、これに怒り、アイバンホーを勘当してしまう。

家を追い出された彼は、なんと父が目の敵とするノルマン人の王、獅子王リチャード率いる十字軍に参加。数々の武勲を立てて帰国するのだが、勘当の身なので、その素性を明かさずに巡礼に身をつやす。一方、リチャード王不在のイングランドでは王弟ジョンが悪政を行うばかりか、王座までを狙っていた。

アイバンホーは、ジョン候が主催する馬上槍試合に『勘当の騎士』として、身分を明かさず参加するのだが、英国の支配権を確立しようとしているジョンにとって、サクソン人は邪魔な存在。武勇優れるアイバンホーはもちろん勝ち残っていくのだが、卑怯な手を使われ、深手を負ってしまう。あわやの危機を救ってくれたのは無名の黒衣の騎士・・・

アイバンホーは無事、勝利をおさめ、栄誉として『美と愛の女王の栄冠』を、ロウェーナ姫に捧げることに。こうして馬術試合の勝者となったことから、正体がばれてしまうアイバンホー。しかし父の怒りはいっこうに解けない。この試合で大けがをした彼は、ユダヤの族長アイザックの美しい娘、レベッカの手厚い治療で命を救われる。

そのアイザック父娘がセドリックやロウェーナたちと一緒にノルマンの騎士たちに襲われさらわれてしまう。 傷を負ったアイバンホーは、黒衣の騎士(実はリチャード王)や勇敢なロビン・フッドとシャーウッドの森の仲間の助力を得て、大切な人たちを救い出しに行く。

黒衣の騎士たちの奮戦で囚われの人々は救出されたが、傷ついたアイバンホーを献身的に介抱してくれたレベッカだけは、敵に拉致され、魔女として処刑されそうになる。処刑寸前のレベッカを救おうと駆けつけたのは怪我もまだ全治していないアイバンホー。ギルベールとの一騎打ちに臨むのだが、アイバンホーの槍の前にあっけなく倒れるギルベール。

結局、黒騎士(リチャード王)によって、テンプル騎士団の不正も正され、アイバンホーも父セドリックと仲直りをし、めでたくロウェーナ姫と結婚する運びとなった。

ロウェーナ姫に「アイバンホーにお礼を伝えてほしい」と頭を下げ、自らの恋心を胸にしまい、幸せな2人のもとを去っていくレベッカ。う〜ん・・・この締めがなんともいい。ほんとにいい!!



ここに注目!位置情報

位置情報サクソン人とノルマン人の対立
1066年の『ノルマン・コンクェスト』でウィリアム征服王(ノルマンディー公)が即位して以来、イギリスでは征服者ノルマン人が先住民のサクソン人を支配し、優位に立っていた。そうした仲で、サクソン人はなんとかサクソン王家を復興させようとしていた。

そんなサクソン人の代表がアイバンホーの父、セドリック。
一方、アイバンホーはサクソン人でありながらノルマン人であるリチャードに仕える。親子の対立を社会背景を見事に取り入れ、『勘当』というドラマチックな状況で盛り立てる。また、騎士の鏡というべき息子を勘当してまで、『サクソン王家の再興』という大儀にかけるセドリックの姿に、この時代の頑固者の名士の姿を見事に描いている。

位置情報リチャード獅子王と十字軍、オーストリア幽閉
リチャード一世(1157-1199、在位1189-99)
父はプランタジネット朝の始祖ヘンリー二世(在位1154-89)、母はエリノアール・オブ・アキテーヌ。勇猛果敢で寛大、中世騎士の理想の姿と称えられ、「獅子王」の異名をとる。

『アイバンホー』、一番かっこよく描かれているのは、主人公のアイバンホー以上にこの獅子王リチャードの姿だと思う。結局はサクソンの頑固者のセドリックまでリチャード王を認めるに至っているもの・・・。史実としてはかなり残忍な面も多いのだけど・・・。

まずは作品前半部までの解説・・・
第3回十字軍を率いて遠征中に、弟のジョンが反乱を起こしているという知らせを受け、帰国にむかうリチャード。しかし、途中にオーストリア公レオポルトに捕らえられ、1193年神聖ローマ皇帝ハインリヒ6世に引き渡されてしまう。そのままオーストリアに一年間幽閉され、多額の身代金を要求される。幽閉されていることは公には伏せられ、王は行方不明ということに。
それもこれも王位を狙う、王弟の陰謀ともいわれる。

で・・・『アイバンホー』では王の帰国に関して、馬術試合での主人公のピンチを救う、謎の黒衣の騎士という設定でドラマチックに盛り上げている。
さらには義賊ロビン・フッドとロウェーナ姫を助け、テンプル騎士団の不正を暴き、親子の和解(セドリック&アイバンホー)を導き、お気に入りの部下の結婚話までまとめてと・・・とにかく獅子王様様。おまけに強くてかっこよくて・・・こんなすごい国王がいたらいいなあと誰でもが思うような理想の人物像につくられている。

位置情報王弟ジョン
ジョン王(在位1199-1216)。
兄リチャード一世が十字軍遠征中に、王位をうかがうが失敗する。即位したのは兄王の死後。1204年には大陸にあったイギリスの領土の大部分を失ってしまったため、「失地王」とも呼ばれる。 教皇の怒りを買い、1209年にイギリスごと破門されてしまう(1213年和解)。 1215年にマグナカルタ(大憲章)に署名させられる。

まあ、結局はイングランドの王になるジョンですが、とにかく陰謀策略ばかりを巡らすわりに、無能で不人気。その辺の人となりが『アイバンホー』では実によく表現されている。この作品のイメージがジョン王の代表という感じ。獅子王リチャードが持ち上げられた分、こっちはどうしようもない・・・という感じ。

位置情報ユダヤ人
セドリックの館を訪ねてきたユダヤの族長アイザック。彼の美人の娘レベッカはもちろん、この2人の登場人物なくしてアイバンホーは語れません。
アイバンホーに恋するユダヤ娘のレベッカですが、当時はユダヤ人は非常に差別を受けていた存在。

それでもこの時代、迫害を受けながらも各地で金融業を営んでいたユダヤ人。キリスト教徒は金貸しを教会に禁じられていたため、非キリスト教徒であるユダヤ人がその職業につくことになったのです。

この作品ではアイザックは典型的な吝嗇なユダヤ人像に描かれていますが、一方で娘のレベッカは、どんな差別や迫害、逆境にもめげず愛と信念を貫く、気高い女性として描かれています。

位置情報馬上槍試合
鎧兜を着け馬に乗った騎士が一対一で向かい合い、すれ違いざまの一瞬の攻防で勝負をつける試合。
こうした武術試合の様子はハーレクインの中でも描かれていますが、中世の騎士にとって馬と槍、そして鎧兜は騎士道のすべてを現すものだったんですね。

馬上試合に勝ったアイバンホーがロウェーナ姫に勝利者の栄冠をささげる場面がありますが、これこそまさに『愛と名誉のために』戦うという構図を絵にしたものです。

位置情報中世の戦闘
囚われのロウェーナ姫たちを救い出すアイバンホー。

この時代の城は要塞のようなもの。高い石垣で囲まれ、 入り口は跳ね橋にあり、敵の襲来があると門を閉ざして防御することが出来る。また、城内には大きな石が常備されており、もしもの時には岩を城壁から落として、侵入者を防ぐ。

位置情報ロビン・フッドとシャーウッドの森
作品中ではロクスリーと呼ばれているがあの有名な、シャーウッドの森の義賊ロビン・フッドのこと。 金持ちや貴族から金品を奪い、貧しい民衆に分け与えたという伝説があり、彼をモデルにした映画も数多く作られている。
弓矢の名手。

位置情報魔女狩り
ギルベールによって拉致されたレベッカは、テンプル騎士団の拠点である修道院に隠されるが、団長の知るところとなり、異教の魔女として裁判にかけられることに。

医術が未発達で、迷信がはびこっていた中世ヨーロッパでは、しばしば魔女と疑われた女性が迫害を受けることがあった。ユダヤ人というだけで汚らわしいとされる時代であったから、全てがレベッカの不利に。 魔女狩りが盛んになったのは、1300年以降であるが、『アイバンホー』の時代にもすでに魔女裁判があったことがわかる。魔女狩りは教皇が魔女の存在を断定した1484年頃から勢いが加速する。

位置情報テンプル騎士団



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この記事へのコメント
偶然飛び込んだサイトですてきな記事をみつけました。
私は51歳の主婦ですが、小学生の時初めて読んでから、『アイバンホー』が大好きです。当時は名作シリーズで、大人になっては岩波版であったか・・・もっと詳細な翻訳で。それによって、騎士道というものはそんなロマンティックなものでもなかったと知ったり・・・
実は私レベッカが大好き。ギルベールの恋情も無理からぬことと彼にも同情してしまいます。
そのためか、聖堂騎士団に興味もわきました。
アイバンホーがレベッカを選ばなかったのは時代的にしかたないことではありますが、残念に思う方はほかにもおられて、『緑の騎士』という少女漫画で二人を結びつけてしまった漫画家さんがいましたよ。
Posted by 大西令子 at 2011年12月13日 22:50
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