当時イングランドはフランスとの百年戦争の真っ只中。
エドワード黒太子の死後、戦果の上がらないリチャード2世から民心は離れてゆき、ヘンリー4世によって新しくランカスター朝が開かれる。以後孫の代までの3代がランカスター朝の時代。息子のヘンリー5世の時代、イングランドは百年戦争で優位に立ったものの、結局負けてしまう。そして時代はランカスター家とヨーク家が争うばら戦争の時代へと移っていくのだった。
そんな混沌とした時代を背景に展開されるのが、この『愛と称号と財産と』のシリーズ。
詳しくはこちら
ヘンリー4世(在位1399-1413)
HS-90 『花嫁の持参金』(1405)
ヘンリー5世(在位1413-22)
HS-92 『逃げた相続人』(1416)
ヘンリー6世(在位1422-61、1470-71)
HS-94 『花嫁泥棒』(1426)
HS-141 『剣を我が手に』(1438?)
HS-170 『花嫁は謎に満ちて』(1440)

フランスと百年戦争を始めたエドワード3世の第3子、ジョン・オブ・ゴーントと初代ランカスター公の次女ブランシェの長男。ボリングブロク城で生まれたので、ヘンリー・ボリングブロクとも言われる。
父の死後の1398年、勢力拡大を恐れた従兄弟のリチャード2世(エドワード黒太子の子)にランカスター公領を没収され、パリに追放された。翌年イングランドに戻り、リチャード2世に廃位を迫り、王位を継承。ランカスター朝を開いた。

若い時から戦いに参加し、父ヘンリー4世をたすけてランカスター朝成立期の国内平定に尽力した。
ヘンリー5世 | |
![]() | ケネス・ブラナー エマ・トンプソン ポール・スコフィールド おすすめ平均 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |
エドワード黒太子の死後劣勢にあった百年戦争では、フランス国内の内紛に乗じ、休戦中であった戦闘を再開して、1415年アジャンクール(アザンクール)の戦いでフランス軍を壊滅させた。(HS-92『逃げた相続人』のヒーローが参加した戦いですね。)
1420年フランス王女キャサリンと結婚し、自らの子孫によるフランス王位継承を認めさせるなど、ランカスター朝の絶頂期を築いたが、2年後に戦いの最中に赤痢で急死した。

![]() | 薔薇と狼 マーゴ・マグワイア 吉田 和代 ハーレクイン 2003-09 by G-Tools |
舞台は1421年イギリス。
国王ヘンリー五世の命令で、はるばるイングランドの北、ノーサンバーランドまで来た騎士のウルフレム(通称ウルフ)。王命は、サマズ男爵の義理の娘であるキャスリン(通称キット)をロンドンまで連れてくること。こんな辺境の地の娘になんの用があるんだ…
![]() | 図説 ヨーロッパの王妃 石井 美樹子 by G-Tools |
|

父の急死によって、生後9ヶ月で王位を継承する。母はフランス王シャルル6世の娘キャサリン。一時フランス国王も兼ねたが、成人後も無能無力で、有力諸侯や王妃マーガレット・オブ・アンジューらの干渉を受け続けた。
結局、百年戦争にも敗北し、その権威は失墜。1455年、ヨーク公リチャードの反乱を招き(ばら戦争の勃発)、リチャードの子エドワード4世によって王位を奪われた。
1470年一時ヨーク派の内紛によって復位したものの、翌年にはロンドン塔で暗殺された。
もっと知りたい方は
|

![]() | 闇に眠る騎士 マーゴ マグワイア Margo Maguire すなみ 翔 ハーレクイン 2005-09 by G-Tools |
『薔薇と狼』のスピンオフ。
なんと、なんとこのおはなし、ヘンリー五世妃のキャサリン妃がお話の主要人物として登場。21歳の若く美しい未亡人の運命は!!!そして幼王ヘンリー六世は御歳2歳!まだ赤ちゃんです。のちにひそかに妃と結婚し、チューダー朝の礎となった歴史上の人物オーウェン・チューダーが、なんと本作のヒロインの実兄という大胆な設定。史実とフィクションとを多彩に組み合わせたこの作品は必見です。
電子書籍で今すぐ読むeBook
ビーケーワン