百年戦争の発端は、跡継ぎのないままフランス国王シャルル4世がなくなったことから、発生した王位継承問題。イギリス国王エドワード3世がシャルル4世の甥であったことから王位の継承を主張。実はこの背景にはフランス内にあるイギリス領土の領有に関する対立や、羊毛工業地帯フランドルの主導権争いなどがありました。
初めはエドワード黒太子(エドワード3世の息子)の活躍などでイギリスが優勢。クレシーの戦い(1346)、ポワティエの戦い(1356)でイギリスが勝利。しかし、ジャンヌ=ダルクのオルレアン解放(1429)後はフランスが反攻に転じ、イギリスはカレーを除くすべての大陸領土を失うことになりました。
この戦争の結果、それまで諸侯の内乱が続いていたフランスでは中央集権化が進み、王権が強まることになりました。一方のイギリスでは、王位を争う内乱が起こり、30年間にも及ぶ薔薇戦争(1455-1485)が起こることになりました。

イチオシはスザーン・バークレー『愛のサマーヴィル』
HS-47
![]() | 囚われの恋―愛のサマーヴィル スザーン バークレー Suzanne Barclay 柊 羊子 ハーレクイン 1998-09 by G-Tools |
1375年英仏の和平条約締結間もないフランス・ボルドーが舞台。
ヒロイン、キャサリンの父はルーアーク・サマーヴィル。
第一作『夢見た騎士』から20年、ルーアークは43歳になっています。
ルーアークはイギリス人貴族の三男坊。エドワード黒太子に従いフランスに渡り、ポワティエの戦いで大活躍。本国では英雄と称えられ、国王エドワードとは友人の仲。『囚われの恋』では黒太子の容態が悪化し、至急本国に戻るようにとの書状が届くというところからおはなしがはじまります。実際エドワード黒太子は1376年に父王に先立ってなくなっています。
HS-31
![]() | 夢見た騎士―愛のサマーヴィル〈1〉 スザーン・バークレー Suzanne Barclay 柊 羊子 ハーレクイン 1997-12 by G-Tools |
英仏の対立という時代を背景に、イギリス、フランス両国に生きたヒーロー、ヒロインの愛と葛藤。実在の王たち(エドワード3世、エドワード黒太子)との絡みも面白い。
HS-4
![]() | 帰ってきた騎士 ポーリン ベントリー Pauline Bentley 永幡 みちこ ハーレクイン 1996-11 by G-Tools |
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