イングランドによるアイルランドの植民地化は12世紀始め、ヘンリ2世の時代のノルマン人侵攻に始まった。この背景にはイングランド王国と対立する別のノルマン人王国の設立をけん制する狙いがあったのだが、イングランドの支配地は、ダブリンを含む限定された地域にすぎず、次第にアイルランドに対する興味を失っていた。その一方でスコットランドからのゲール人(バイキング)の流入が進み、ゲール化していった。
再びイングランドの支配が強まったのは16世紀半ば、イングランド国王ヘンリー8世による英国国教会の成立からだった。イングランドの教会がカトリック教会からの完全な独立を果たしたことで、カトリックの教義をかたくなに守り続けるアイルランドとの対立は決定的となる。
1536年ヘンリー8世はアイルランドへの再出兵を決断。彼はアイルランドを王国に昇格させ、自身をイングランドと兼任の国王とする。このイングランドによる再占領はエリザベス1世とジェームズ1世の時代に完了した。幾度かに及ぶ反乱を鎮圧、16世紀半ばから17世紀にかけてイングランドの植民地化が進行した。
こうしたイングランドの圧政下で、アイルランド人はたびたび反乱をおこし、人口は激変した。アイルランド史の暗黒の時代である。一時支配権を取り戻すこともあったが、1649年のオリバー・クロムウェルによるアイルランド遠征によってそれも終わりを告げた。18世紀後半になると限定的な自治権を獲得したが、少数派の国教徒に対して大多数を占めるカトリックが厳しい差別を受けていた。
1801年にグレートブリテンおよびアイルランド連合王国となり、アイルランドの地位は向上したものの、アイルランド経済は停滞が続いた。
第一次世界大戦後の1922年アイルランド独立戦争が発生。南部・西部アイルランドが連合王国から分離し、アイルランド自由国を建国(現在はアイルランド共和国)。一方、プロテスタントが人口の過半数を占めていた北アイルランド6州は1922年の独立以後もイギリス統治下にとどまった。
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ルース・ランガンの三部作『薔薇と宝冠』
舞台はエリザベス朝のイングランド。
エリザベス女王自身も登場人物としておはなしのなかに出てきます。
グリニッジ宮殿での女王を取り巻く臣下とのやりとり、
イングランドとアイルランドを取り巻く社会状況、面白いです。
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